
薬剤耐性(Antimicrobial Resistance:AMR)は、細菌やウイルス、真菌、原虫などの病原体が抗菌薬・抗ウイルス薬などに対して感受性を失い、従来の用量や投与方法では効果が得られなくなる現象を指します。
参考)薬剤耐性(AMR)対策
世界では、AMRに対する対策が十分に講じられない場合、2050年までに年間1000万人以上がAMR関連感染症で死亡する可能性が示されており、がんを上回る死因になると予測されています。
参考)薬剤耐性(AMR)対策|厚生労働省
日本政府もこの危機感を共有し、薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023–2027)を策定し、ヒト・動物・環境にまたがる「ワンヘルス」の視点で対策が進められています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/ap_gaiyou.pdf
参考)https://www.jpma.or.jp/information/international/statement/lofurc000000dm96-att/202506.pdf
AMR臨床リファレンスセンターのサイトでは、医療者向けに主要耐性菌の基礎情報、患者向け啓発資材、抗菌薬適正使用の解説が体系的に整理されています(AMRの基礎理解と患者説明の参考)。
AMR臨床リファレンスセンター
参考)かしこく治して、明日につなぐ~抗菌薬を上手に使って薬剤耐性(…
抗菌薬の不適切使用は、薬剤耐性 amr進展の主要なドライバーの一つであり、適切な抗菌薬選択・投与量・投与期間・投与経路を徹底することが、医療現場で実践可能な最重要対策です。
日本のAMR対策アクションプランでは、抗菌薬適正使用(Antimicrobial Stewardship)を柱の一つとし、外来・入院双方での抗菌薬使用量の指標化と、細菌学的検査と連動した処方改善を目標に掲げています。
抗菌薬適正使用の基本原則として、臨床現場で押さえておきたいポイントは次の通りです。
東京都健康安全研究センターのAMR関連論文ページでは、CRE・VREなどの地域・院内の疫学研究や、抗菌薬使用量と耐性の関連を扱った論文が紹介されており、ステュワードシップ活動の根拠として参考になります(抗菌薬レジメン選択と院内疫学の参考)。
薬剤耐性 amr対策は、抗菌薬適正使用だけでなく、標準予防策や環境衛生を含む感染対策の徹底によって、耐性菌の曝露機会そのものを減らすことが重要です。
アクションプランでは、ヒト医療、獣医療、畜産、水産、環境が相互に影響し合う「ワンヘルス」の考え方が強調されており、医療従事者もこの広い枠組みを理解することが求められています。
医療現場で意識したい感染対策のポイントは次の通りです。
内閣感染症危機管理統括庁のAMR対策ページでは、ワンヘルスの枠組みや、各分野での施策の概要が整理されており、院内勉強会での資料作成にも利用しやすい内容です(ワンヘルスと政策全体像の参考)。
薬剤耐性(AMR)対策 | 内閣感染症危機管理統括庁
日本では、JANIS(Japan Nosocomial Infections Surveillance)をはじめとする感染症サーベイランスにより、主要耐性菌の検出率や抗菌薬使用量がモニタリングされ、アクションプランのフォローアップにも活用されています。
参考)https://www.caicm.go.jp/action/amr/files/r6_follow_up_summary.pdf
医療機関や検査部門で意識したい実務上のポイントは以下の通りです。
厚生労働省の薬剤耐性(AMR)対策ページには、アクションプランに基づくフォローアップ資料や、JANISなどサーベイランス事業の概要がまとまっており、自施設レポート作成時の指標選定の参考になります(サーベイランスと指標設計の参考)。
薬剤耐性(AMR)対策 - 厚生労働省
薬剤耐性 amr対策は、医療従事者だけでは完結せず、患者や市民が「抗菌薬は万能薬ではない」「風邪に抗菌薬は効かない」という基本的な理解を持つことで初めて持続可能になります。
一方で、診療の場では「抗生物質を出してほしい」という期待や、「以前効いた薬をまた使いたい」という要望と向き合う場面も少なくなく、コミュニケーションの工夫がAMR対策のボトルネックになりがちです。
患者・市民とのコミュニケーションで活用できる具体的な工夫を挙げてみます。
AMR臨床リファレンスセンターでは、患者向けの説明資料やポスター、動画コンテンツなどが公開されており、外来診療や地域イベントでの啓発に流用しやすい形式になっています(患者説明と市民啓発の参考)。
かしこく治して、明日に備える - AMR臨床リファレンスセンター
薬剤耐性 amr対策アクションプラン(2023–2027)では、前計画で未達成だった目標を引き継ぎつつ、AMRに関する教育・研修の強化、サーベイランス指標の拡充、ワンヘルスの推進などが盛り込まれています。
このアクションプランの実効性は、最終的には医療従事者が日々の診療・ケアのなかでどれだけ「AMRを意識した意思決定」を積み重ねられるかにかかっています。
医療従事者に期待される具体的なアクションを整理すると、次のようになります。
厚生労働省の「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023–2027)概要」PDFでは、各分野に期待される役割や数値目標がわかりやすく整理されており、院内の対策委員会や研修資料のベースとして利用できます(アクションプランの詳細と役割分担の参考)。
薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027) 概要
【指定第2類医薬品】イブA錠 90錠