
薬事法と薬機法の違いを理解するうえでまず押さえたいのは、「別々の法律」ではなく、薬事法が改正されて現在は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)になっているという構造です。
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薬事法は1960年に制定され、医薬品・医療機器・化粧品などの品質、有効性、安全性を確保することを目的に、製造・販売・輸入・広告などを包括的に規制してきました。
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その後、再生医療や高度な医療機器など新しい技術への対応が課題となり、2014年の改正で薬事法が抜本的に見直され、名称も薬機法へ変更されました。
薬機法への改正では、名称変更にとどまらず、再生医療等製品という新たなカテゴリーの追加、医療機器の規制体系の独立・強化、迅速な承認プロセスなど、実質的な制度変更が行われています。
医療従事者視点では、「薬事法と薬機法の違い」と聞くと別の法律に聞こえますが、実務上は「旧法と現行法の関係」として理解すると混乱が少なくなります。
特に改正後は、細胞加工製品や遺伝子治療などを含む再生医療等製品が独立したカテゴリーとして位置づけられ、承認・安全管理の枠組みが整備されました。
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また医療機器については、薬事法時代よりも細かいクラス分類と専用の認証制度が整備され、リスクに応じた審査・認証が行われるようになっています。
医療機関の実務としては、院内で導入する医療機器や診療補助用具が薬機法上どういう区分に当たるかを把握しておくことで、契約・保守・安全管理上のリスク評価がしやすくなります。
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例えば、一般的な血圧計や心電計は医療機器として薬機法による規制を受けますが、健康グッズとして販売される類似品の中には医療機器に該当しないものもあり、医療現場での使用には注意が必要です。
さらに薬機法は広告規制も含むため、院内で配布する患者向けパンフレットやウェブサイトに掲載する情報が、医薬品や医療機器の効能効果を謳う表現に当たらないか、事前に確認しておくことが求められます。
薬機法の特徴として、医薬品・医療機器だけでなく、医薬部外品や化粧品などの広告表示についても詳細なルールが定められており、旧薬事法時代から広告規制は一貫して重要な柱でした。
薬機法では、承認されていない効能効果の表示、誇大広告、誤認を与える表示などが禁止されており、違反した場合には行政処分や刑事罰、課徴金など重い制裁が科される可能性があります。
興味深い点として、薬機法の広告規制は「誰が発信したか」にかかわらず、実質的に販売促進につながるかどうかで判断されるため、医師や薬剤師など医療従事者個人のブログやSNS投稿も、場合によっては規制対象となり得ます。
医療機関の公式サイトで特定の医薬品や医療機器の名称を挙げて「効果が高い」「安全で副作用が少ない」といった表現を用いると、承認内容を逸脱した広告とみなされるリスクがあります。
一方で、薬機法は患者向けの適切な情報提供までを制限するものではなく、用法用量や副作用、承認された効能効果に関する中立的な説明は、医療安全の観点からむしろ推奨されます。
そのため、医療従事者が情報発信を行う際には、「宣伝」ではなく「医学的情報提供」として、エビデンスに基づき、承認内容と整合する範囲で記載することが重要であり、薬事法時代からの感覚で曖昧な表現を続けるとリスクが高まります。
薬機法と薬事法の広告規制の違いとNG表現の具体例解説(医療機関のウェブ担当者向け)
薬機法への改正の大きなポイントのひとつが、再生医療等製品の追加と、それに伴う新しい承認制度の整備です。
従来の薬事法では、細胞や組織を用いた治療法の位置づけが明確でなく、医薬品や医療機器に準じた扱いが困難なケースもありましたが、薬機法では再生医療等製品として独自のカテゴリーが設けられました。
これにより、遺伝子治療や細胞加工製品など、従来の枠組みでは評価しづらかった先端医療技術に対して、リスクに応じた段階的な承認・安全確保措置が可能になっています。
例えば、臨床研究として行う細胞治療と、薬機法上の再生医療等製品を用いた医療行為とでは、求められる手続きや責任の範囲が異なり、倫理審査、保険適用、説明義務なども含めて制度の理解が不可欠です。
薬機法は薬事法時代の枠組みを維持しつつも、こうした先端医療に特化した規定を設けることで、安全性と技術革新の両立を目指しており、医療従事者が新規の治療技術を導入する際には、薬機法上の位置づけを確認することが実務上の第一歩となります。
再生医療等製品や高度医療機器に関する制度の詳細を知りたい場合、厚生労働省や関連学会が公開しているガイドライン・Q&Aが有用で、薬機法改正の背景や運用方針がまとめられています。
検索上位の記事では企業や医療機関の責任に焦点が当てられることが多いですが、現場の医師・薬剤師・看護師など医療従事者個人にとっての薬機法リスクは、意外と見落とされがちなテーマです。
薬機法は事業者に対する規制が中心ですが、違反行為に関与した個人が刑事責任を問われる可能性もあり、特に広告規制や未承認医薬品の使用に関しては、現場の判断が直接問題となるケースがあります。
例えば、医師が自院サイトや個人ブログで未承認薬の使用経験を「安全で効果が高い」と表現した場合、それが事実上の販売促進・誘引と評価されれば、薬機法の広告規制違反を問われるリスクがあります。
また、薬機法の枠組みの外にあると誤解されがちな領域として、健康食品やサプリメントに関する情報発信がありますが、「がんが治る」「糖尿病が改善する」といった医薬品的な効能効果を謳う表現は、薬機法違反の対象となる可能性があります。
医療従事者が患者からの相談に応じてサプリメントを紹介する場合でも、院内でパンフレットを作成したり、ウェブ記事で特定商品を推奨するような表現を用いれば、薬機法上の広告とみなされる余地があるため注意が必要です。
そのため、個人として情報発信を行う医療従事者は、薬事法時代の感覚のままではなく、薬機法における広告規制の考え方を理解し、「医療情報」と「商品宣伝」の線引きを明確に意識しておくことが、リスク管理のうえで重要になります。
こうした観点を詳しく扱う日本語の解説として、医療系ライター向け校正サービスが提供する薬機法解説記事では、医療従事者やライターが記事執筆時に陥りやすいグレーゾーンへの注意喚起が行われています。
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