
DSU(医薬品安全対策情報)は、医療用医薬品の「使用上の注意」の改訂に関する情報を取りまとめた公式情報源です。 日本製薬団体連合会安全対策情報部会に参加している製薬企業(現在304社)が製造販売または輸入している医療用医薬品が対象となっています。
DSUの最大の特徴は、改訂内容の重要度に応じて記号が付けられている点です。 これにより、医療従事者は膨大な改訂情報の中から、特に重要な情報を迅速に把握できます。2021年8月1日より医療用医薬品の添付文書が電子化され、PMDA(医薬品医療機器総合機構)のホームページ上でDSUを閲覧できるようになりました。
参考)https://www.igaku-shoin.co.jp/misc/pdf/00705/00705_26.pdf
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 医薬品安全対策情報(Drug Safety Update) |
| 発行元 | 日本製薬団体連合会 安全対策情報部会 |
| 監修 | 厚生労働省医薬・生活衛生局 |
| 発行頻度 | 通常 年10回 |
| 対象 | 304社の製薬企業が製造・輸入する医療用医薬品 |
| 配布先 | 全国約24万施設の医療関係者 |
DSUに掲載される改訂情報は、その重要度によって明確に区別されています。 この重要度記号の理解が、DSUを効果的に活用する鍵となります。
改訂内容の重要度は、以下のような基準で分類されています。
意外な事実として、DSUには厚生労働省から指示通知が発出される使用上の注意の改訂だけでなく、製造販売業者が自主的に行う軽微な改訂の情報も含まれています。 この「自主改訂」の情報が、DSUの網羅性を高めているのです。
参考)https://real-world-evidence.org/drug-safety-update/
2025年現在、電子版DSUでは商品名に下線が付いた場合、「使用上の注意等の改訂のお知らせ文書」にリンクしており、改訂の根拠となった症例の紹介を含む詳細な改訂情報を確認できます。 この機能は2022年6月以降に追加されたもので、改訂の背景を深く理解するのに役立ちます。
参考)http://www.iwayaku.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/07/20180702jimu.pdf
実際のDSU改訂事例を見てみましょう。2024年から2025年にかけての主な改訂事例を挙げます。
事例1:抗精神病薬の改訂(2024年10月)
抗精神病薬の「使用上の注意」において、代謝酵素CYP3A4に関する相互作用の記載が充実しました。 これにより、特定の抗菌剤や抗真菌剤との併用時の注意点が明確化されています。
参考)https://dsu-system.jp/dsu/331/591/notice/2095/notice_2095_20241031161047.pdf
事例2:高カロリー輸液用微量元素製剤(2025年11月)
マンガン配合製剤において、長期連用時の脳内蓄積リスクに関する記載が追加されました。 具体的には「脳MRI検査(T1強調画像)で高信号を示したり、パーキンソン様症状があらわれたとの報告がある」という具体的な臨床所見が記載されています。
参考)https://dsu-system.jp/dsu/340/2492/notice/5927/notice_5927_20251017091555.pdf
事例3:コンパニオン診断薬の承認に伴う改訂(2025年5月)
抗TFPIモノクローナル抗体「コンシズマブ」において、血中濃度測定用のコンパニオン診断薬(販売名:ConcizuTraceTM ELISAキット)の承認に伴い、注意事項が改訂されました。 このように、診断薬の承認が薬剤の使用上の注意改訂につながるケースもあります。
参考)https://dsu-system.jp/dsu/336/1599/notice/notice_1599_20250428142025.pdf
| 改訂時期 | 薬剤カテゴリー | 改訂の主な内容 |
|---|---|---|
| 2024年6月 | 生物学的製剤 | 注射に伴う全身反応(アナフィラキシーを含む)の記載追加 |
| 2024年10月 | 抗精神病薬 | 相互作用(CYP3A4代謝関連)の記載充実 |
| 2025年5月 | 抗TFPI抗体 | コンパニオン診断薬承認に伴う測定方法の明文化 |
| 2025年11月 | 微量元素製剤 | マンガン脳内蓄積リスクの具体的所見記載 |
DSUを日常業務に効果的に取り入れるための具体的な方法を紹介します。
1. PMDAメディナビの活用
PMDAメディナビに登録すると、電子版DSUが毎号メールで届きます。 登録は無料であり、病院等の医療関係施設、薬局、医薬品等の製造販売業者、医療関係教育機関などに所属されている方なら登録可能です。
参考)https://www.mhlw.go.jp/www1/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/254-1.pdf
登録URL:PMDAメディナビ登録ページ
2. スマートフォン専用サイトの活用
外出先や病棟での迅速な確認には、スマートフォン専用サイトが便利です。
参考)http://www.yamaguchi.med.or.jp/wp-content/uploads/2023/07/2023houan_743.pdf
3. 電子版「使用上の注意改訂のお知らせ文書」の活用
2023年8月より、改訂の根拠となった症例の紹介を含む詳細な改訂情報が電子的に確認できるようになりました。 商品名に下線がある場合、リンクから詳細文書にアクセスできます(リンク有効期間:2年間)。
4. 定期的な確認サイクルの確立
DSUは年10回発行されるため、ほぼ毎月新しい情報が更新されます。 以下のサイクルでの確認が推奨されます:
ここがあまり知られていない意外な情報です。2023年7月31日をもって、原則としてDSUの郵送が廃止されました。 しかし、完全な廃止ではなく、一定の条件下で紙媒体の継続が可能となっています。
参考)https://www.jshp.or.jp/content/2023/0629-4.pdf
紙媒体郵送継続の条件
紙冊子の郵送をご希望の場合、以下の条件を満たす必要があります:
1. 自ら所属する医療機関、薬局等において使用することを目的とする
2. 日本製薬団体連合会にFAXまたはEメールで連絡を入れる
3. DSU郵送継続希望申込書の手続きを完了する
連絡先:
電子化移行の背景と実態
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)の改正により、2021年8月1日より医療用医薬品の添付文書が電子化されました。 これに伴い、DSUも電子版中心に移行したのです。
しかし、意外な実態として、2022年6月から行われた郵送継続希望調査では、多くの医療機関が紙媒体の継続を希望しました。 その理由として以下の点が挙げられます:
2年間の経過措置終了後の現状
2023年7月31日をもって2年間の経過措置が終了し、原則として電子版DSUのみとなりました。 ただし、特別な事情がある場合、個別に相談することで対応が検討されるケースもあります。
ウェブ上でDSU関連情報を検索する際、以下のキーワード組合せが効果的です。
特に、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の公式サイトと日本製薬団体連合会のサイトの両方をチェックすることで、より網羅的な情報を得られます。
権威ある参考リンク集
厚生労働省 医薬品・医療機器等安全性情報:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/iyakuhin/iyakuhin_anzen/index.html
(厚生労働省が発行する公式な安全性情報、DSUとの連動情報が掲載されています)
PMDA 医薬品安全対策情報ページ:DSU(医薬品安全対策情報)
(電子版DSUの最新号と過去アーカイブが閲覧可能)
日本製薬団体連合会 DSUページ:DSU(医薬品安全対策情報)
(編集・発行元による公式情報、郵送継続希望の手続き案内あり)
DRUG SAFETY UPDATE 公式サイト
(スマートフォン専用サイト、外出先での確認に最適)
医学書院 医薬品安全対策情報解説
(DSUの基礎知識と活用方法をわかりやすく解説)
医療従事者として、DSUを日常的に活用し、患者さんの安全な薬物療法に貢献することが重要です。 最新の改訂情報を常に把握し、適切な情報提供を行いましょう。
参考)最新版 おくすり安全性情報 ~Drug Safety Upd…
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