スパイロメトリーでは、実測値だけを見るのではなく、年齢・性別・身長から推定した予測肺活量を基準に評価します。 予測値は体格差をならして比較するための土台であり、検査の解釈を安定させる役割があります。 日本の健診や臨床現場では、%肺活量が80%以上を目安に使われることが多く、ここがまず最初の確認点になります。
参考)LMS法による日本人のスパイロメトリー新基準値 - 教育・研…
参考)スパイロメトリー(肺機能検査) - みんなの家庭の医学 WE…
参考)肺機能検査
意外に見落とされやすいのは、予測値の式そのものが時代とともに更新される点です。 つまり「同じ患者でも、どの基準式を使うかで判定が変わる」ことがあり、報告書や論文では基準式の明記が重要になります。
参考)日本人のスパイログラム基準値に関するステートメント - 教育…
LLNは「正常下限値」で、統計学的に正常範囲の下限を示します。 2014年に日本呼吸器学会は、LMS法で解析した日本人成人の新しいスパイロメトリー基準値とLLNを公表しました。 この方法は、単純な平均値中心の式よりも年齢変化を細かく反映しやすい点が特徴です。
とくに注目したいのは、1秒率のLLNが年齢や性別で変わるため、70%という単一閾値では本来の境界を取りこぼす場合があることです。 そのため、教育目的では70%を覚えつつ、実臨床ではLLNとの二段階で見る視点が有用です。
%肺活量が80%未満なら、拘束性換気障害を疑います。 これは肺が十分に広がらない、あるいは肺容量が保てない状態を反映します。 間質性肺炎や肺線維症などでは、このパターンが典型的です。
参考)スパイロメトリーのやり方【結果の見方や基準値も解説】※検査技…
ここで大切なのは、%肺活量の低下だけで「肺が小さい」と決めつけないことです。 努力不足、呼出不十分、協力不良でも低く見えるため、波形や再現性の確認が欠かせません。
検索上位ではあまり強調されにくいですが、同じ検査値でも検査の質で結論が変わります。 鼻クリップの有無、マウスピースの密着、最大吸気後の一気の呼出、少なくとも2回以上の再現性確認など、手技の影響は予想以上に大きいです。 つまり「基準値」だけでなく「その値が信頼できるか」を同時に評価する必要があります。
参考)https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf
参考になる一次情報として、日本呼吸器学会のLMS法による新基準値の案内には、基準値・正常下限値の算出用ファイル情報がまとまっています。