
パニック障害は、突然激しい恐怖や不安感が生じ、数分以内にピークに達する「パニック発作」が繰り返される病気です。 厚生労働省のメンタルヘルス情報 によると、DSM-5(米国精神医学会の診断基準)では以下の13項目中4つ以上が突然に発現し、10分以内に頂点に達すると定義されています。
パニック発作の診断基準(13症状)
これらの症状のうち5つ以上を満たす不安発作が1ヶ月以上にわたり、精神状態や行動面に影響を及ぼしているとパニック障害と診断されます。 精神科医によるパニック障害の解説 によると、パニック発作で死ぬことはなく、正しい理解と対処が重要です。
パニック発作が起きたときの対処法として、呼吸法や感覚刺激を活用した技法が効果的です。 専門医監修の33の対処法 を抜粋して紹介します。
呼吸を整える方法
身体を落ち着かせる感覚刺激
思考の切り替えと自己対話
発作は数分でピークに達し、10〜30分程度で自然におさまります。発作中の恐怖は強烈ですが、医学的に命に関わることはありません。
パニック障害の特徴的な症状として、「予期不安」と「広場恐怖」があります。 日本女性心身医学会の解説 によると、発作が何度も起こるようになると「また発作が起きるんじゃないか」という不安にとらわれることを「予期不安」と呼びます。
予期不安が進行すると「広場恐怖」に発展することがあります。広場恐怖とは、パニック発作が起こった時、逃げられない場所や助けてもらえないような場所にいることに不安を感じ、次第にその場所を避けるようになる状態です。
広場恐怖が起こりやすい場所
予期不安と広場恐怖の解説 によると、パニック障害で一番つらいのは、発作そのものよりも「また、あの発作が起きたらどうしよう」という不安が毎日つきまとうことです。この不安が、電車に乗れない、人混みを避けるといった行動制限につながります。
初期は必要ならば外出できますが、次第に一人で外出できなくなり、付き添いがいないと外に出られない状態になることもあります。予期不安と広場恐怖は、認知行動療法や曝露療法で改善が可能です。
パニック障害の治療は、薬物療法と認知行動療法(CBT)の組み合わせが効果的です。 日本不安症学会の診療ガイドライン では、以下の治療法が推奨されています。
薬物療法
認知行動療法の効果とメカニズム によると、薬物療法はパニック発作の症状緩和に効果があり、SSRIは発作予防に有効です。ただし、減薬すると再発することもあるため、指導のもとで継続することが重要です。
認知行動療法(CBT)
パニック症の認知行動療法 によると、CBTの効果として「怖さの正体がわかる」「身体感覚への過度な恐怖が和らぐ」「これは危険なことではないと脳が正しく判断できる」などが挙げられます。心理療法は予期不安や広場恐怖の改善に特に効果的です。
パニック障害は脳内の神経伝達物質(セロトニン)の機能異常によって起こると考えられていますが、 自律神経の観点からの解説 によると、予期不安や広場恐怖は単なる心の問題ではなく、体の緊張や自律神経の乱れも関与していることが分かってきました。
意外な事実として、パニック障害の患者さんには「過換気症候群(過呼吸)」を伴うケースが多く、発作時に無意識に呼吸が浅く速くなり、血液中の二酸化炭素濃度が低下することで、めまい、しびれ、手足のこわばりなどの症状が悪化することがあります。
自律神経とパニック障害の関係
東大式パニック症に対する認知行動療法 によると、認知行動療法は恐怖感、予期不安、身体症状の軽減に有効ですが、減薬すると再発することもあります。そのため、薬物療法と心理療法の併用が推奨されています。
もう一つの意外な事実として、パニック障害は早期に治療すれば70〜80%で症状がなくなるか、一部残る程度にまで改善します。 パニック障害の治療法 によると、適切な治療を継続することで、薬がなくても自分の力で対処できる力を身につけることが可能です。
日常生活でできる予防法として、睡眠時間と生活リズムを整える、カフェインやアルコールを控える、血糖値が急に上下しないよう規則正しくバランスの良い食事を摂る、ウォーキングなど軽い運動を日常に取り入れる、毎日5分の深呼吸や瞑想タイムを持つことが効果的です。
厚生労働省の診断基準 によると、パニック発作は物質(乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(甲状腺機能亢進症など)の直接的な生理学的作用によるものではないことが確認されています。そのため、身体疾患の除外診断が重要です。
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