
吸入剤の主な成分は、炎症を抑えるステロイド薬、気管支を拡げる抗コリン薬、交感神経刺激薬(β刺激薬)の3種類に大別されます。
参考)吸入薬
ステロイド剤(ICS:Inhaled Corticosteroid)
抗コリン剤(LAMA:Long-acting Muscarinic Antagonist)
β(ベータ)刺激薬(LABA:Long-acting Beta-2 Agonist)
最近の吸入薬の選択肢は増加しており、患者さんそれぞれに合う吸入薬を選択できるようになっています。 そのため、医療従事者は患者の状態やライフスタイルに合わせて最適な吸入薬を提案することが重要です。
参考)吸入薬について
吸入薬は、発作が起きないようにする目的で継続的に使用する「長期管理薬」と、発作のときに急いで呼吸を楽にする「発作治療薬」の2種類に大別されます。
長期管理薬(コントローラー)
参考)https://www.gifu.med.or.jp/file/2019/20190930.pdf
発作治療薬(リリーバー)
成人喘息の治療では、長期管理薬と発作治療薬を使い分け、特にICS(吸入ステロイド)が治療の基本となります。 発作治療薬として短時間作用性吸入β2刺激薬(サルタノール®インヘラー、メプチン®エアーなど)が用いられ、発作時に1~2パフを吸入し、効果が不十分であれば1時間まで20分おきに吸入を繰り返すことが推奨されています。
参考)喘息の吸入薬の種類と使い方ガイド|目的別の選び方と効果を解説…
意外な事実として、喘息ガイドライン2024では、長期管理薬の治療ステップ2にLAMAが追加され、治療ステップ3や4には抗IL-4Rα抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5Rα抗体、気管支熱形成術が追加されています。 これは、従来の治療でコントロールが不十分な重症喘息患者に対して、新たな治療選択肢を提供するためのものです。
吸入薬には、粉状のお薬を吸い込むドライパウダー式(DPI)、お薬を霧状にして噴出させてそれを吸い込む定量噴霧式(pMDI)、液体のお薬を気化させる機械を用いるネブライザー式の3つの方式があります。
DPI(ドライパウダー吸入器)
pMDI(加圧噴霧式定量吸入器)
SMI(ソフトミスト定量噴霧器)
ネブライザー
最近では吸入薬が増え、患者さんそれぞれに合う吸入薬を選択できるようになっています。 当院では患者さんと相談しながら吸入薬を選択するだけでなく、必要に応じて吸入指導も行いながら経過をみています。
吸入薬は単剤だけでなく合剤があり、患者さんの重症度や合併症などによって決めます。 近年、吸入ステロイド薬(ICS)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の3剤配合吸入薬がCOPD患者のために利用可能になりました。
参考)COPD における 3 剤併用療法 (ICS/LA…
2剤配合剤
トリプル療法(ICS+LAMA+LABA)
喘息治療においては、ICS+LABAでコントロールが不十分な場合などに、LAMAを追加した3剤併用が選択肢になります。 COPD治療では、多くの場合LAMA+LABAの2剤併用が行われますが、ここにICSを追加すると、副作用で肺炎を起こすリスクがやや高まるものの、COPDの増悪だけでなく死亡リスクも軽減する効果を期待できます。
参考)https://pharmacist.m3.com/column/special_feature/7223
2022年5月に発刊されたCOPDガイドライン第6版では、吸入ステロイド薬(ICS)の併用は喘息病態合併・頻回の増悪かつ末梢血好酸球増多例に考慮すると記載されています。 最近の研究では、中等症-重症のCOPD患者に対して、ICSの標準用量・半量ともに含む3剤併用療法が2剤併用療法より有意に増悪の頻度を減らすことが示されました。
参考)https://www.ych.pref.yamanashi.jp/wp-content/uploads/2022/11/365f8535107e14bf534fc421c33a95c2.pdf
吸入薬には様々な種類やタイプがあり、患者さん個々に最適なお薬を使うことが重要です。 吸入デバイスの操作方法の説明や、患者に対する声掛け、薬歴の書き方など、留意すべき点が多数あります。
参考)確実に吸い続けてもらうためのシンプル服薬指導のススメ:日経D…
吸入手技のエラーの現状
吸入手技の指導ポイント
一宮吸入指導の会では、吸入手技に関する統一のルールを策定し、医療機関間で共通の指導方法を採用しています。 このように、吸入指導の標準化は、患者の吸入薬の使用状況の改善に寄与します。
確実に吸い続けてもらうためのシンプル服薬指導のススメとして、処方された吸入薬をしっかり服用できるようにサポートするのは、医療従事者の腕の見せ所です。 患者の生活環境やライフスタイルに合わせて、吸入薬の使用方法を工夫することも重要です。
適切な吸入指導を行うことで、患者の吸入薬のアドヒアランスが向上し、呼吸器疾患のコントロールが改善されます。 医療従事者は、患者の吸入薬の使用状況を定期的に確認し、必要な指導を行うことが重要です。
参考)https://www.kainan.jaaikosei.or.jp/area/cooperationsentar/pdf/kyunyushidoumanual20190703.pdf
吸入薬の副作用は、内服した場合には効果が全身に行き渡るのに対して、吸入薬は肺や気管支に直接お薬を届けるため、お薬の量は少量でよく、全身の副作用が少ないのが特徴です。 しかし、吸入薬にも特有の副作用があるため、注意が必要です。
主な副作用
口腔カンジダの予防には、吸入薬使用後の口腔洗浄が推奨されます。 吸入薬使用後は、水を口に含んでうがいをすることで、口腔内の薬剤を洗い流し、口腔カンジダの発生を抑制できます。
COPD患者における吸入ステロイド薬の长期使用により、肺炎のリスクが増加することが報告されています。 しかし、COPDガイドライン第6版では、吸入ステロイド薬の併用は喘息病態合併・頻回の増悪かつ末梢血好酸球増多例に考慮すると記載されており、患者の病態やリスクを考慮して適切な吸入薬を選択することが重要です。
最近の研究では、トリプル療法(ICS+LAMA+LABA)は、LAMA、ICS/LABA、またはLAMA/LABAと比較して、増悪のリスクを減らし、肺機能と健康状態の改善を示しましたが、副作用のリスクはわずかに増加するのみでした。 吸入ステロイド薬の用量を調整することで、副作用のリスクを軽減することも可能です。
参考)中等症-超重症のCOPDに対する2つの用量のICSの3剤併用…
医療従事者は、患者の副作用の状況を定期的に確認し、適切な吸入薬を選択することが重要です。 患者の病態やリスクを考慮して、適切な吸入薬を選択することで、呼吸器疾患のコントロールを改善し、QOLの向上に寄与します。
【第2類医薬品】アレジオン20 48錠