
医療機関の経費において、医療材料費は全体のおよそ20%を占める大きな項目です。 医薬品費や診療材料費、医療消耗機器備品費など、日々の診療に欠かせない費用ですが、使用期限切れの廃棄や過剰在庫、価格交渉の未実施など、改善の余地が多分に残されています。
実際の削減事例として、湘南鎌倉総合病院では院内処方から院外処方へ切り替えることで、売上総利益の改善と同時に約7,000万円の経費削減を達成しました。 また、各部署に責任を持たせて業者との交渉を徹底し、市場価格との差異を把握することで原価を大幅に引き下げています。
📋 具体的な取り組み例文。
在庫管理のポイントは「必要なものを、必要な時に、必要な分だけ」です。過剰在庫は資金の固定化だけでなく、保管スペースの確保や管理コスト、期限切れによる廃棄ロスを生み出します。 逆に、在庫不足は診療の停滞や緊急発注による高コスト購入につながります。
公益社団法人 日本病院会 医療消耗品費削減の具体的な手法と成功事例が記載されています
人件費は医療機関の経費構造において最も大きな割合を占めます。医業収益に対する人件費の割合は50〜60%程度が一般的で、少しの改善でも大きな削減効果が見込めます。 ただし、安易な人員削減は医療の質やスタッフのモチベーション低下につながるため、慎重な対応が求められます。
効果的な削減手法として、業務の効率化とシフト管理の最適化が挙げられます。忙しい時間帯や曜日を分析し、そこに合わせたパート・アルバイトの雇用を増やすことで、正社員の残業時間を削減し、効率的な人員配置を実現できます。
📋 具体的な取り組み例文。
独自視点として、人件費の最適化には「時間外労働の可視化と改善」が効果的です。多くの医療機関では、暗黙の残業や非効率な業務フローが常態化しています。労働時間の記録を徹底し、どの業務にどの程度の時間が費やされているかを分析することで、改善すべきポイントが明確になります。
参考)【企業事例付き】コスト削減ができる4つの項目と方法|実施手順…
また、医師や看護師の高い専門性を活かすために、看護補助や医療事務、事務職を適切に配置することで、高単価の人材が本来の業務に集中できる環境を作ることが重要です。これにより、人件費の総額は維持しつつ、生産性を向上させることができます。
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電子カルテは医療機関の中枢システムであり、初期費用とランニングコストの両面で大きな負担となります。 従来のオンプレミス型電子カルテは初期費用が500万円程度、5年ごとの買い替えが必要で、保守費用やサーバーの電気代も継続的に発生します。
一方、クラウド型電子カルテは初期費用が10万円程度、毎月の利用料も数万円で済みます。 システム更新やメンテナンスはベンダー側で自動的に行われ、バックアップ作業も不要です。さらに、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、在宅医療や外勤時にも患者情報を確認できます。
📋 具体的な取り組み例文。
水道光熱費は人件費に次いで多い固定費であり、医療機関の経費構造において重要な位置を占めています。 病室の温度管理は夏季25〜27度、冬季20〜22度を目安に調整する必要があり、24時間体制の空調稼働が求められます。また、MRIやCTなどの医療機器は電源を切ることができず、昼夜を問わず大量の電力を消費します。
効果的な節電対策として、LED照明への全面切り替えが挙げられます。環境省の調査によると、LEDに変更した場合、年間で69%のエネルギーコスト削減が見込めます。 また、エアコンの設定温度ルール化や、使用していないパソコンの電源を落とすなどの基本的な節電を徹底することも重要です。
📋 具体的な取り組み例文。
エネルギーコスト削減の具体的な手法と成功事例が紹介されています
採用コストは一回の採用活動で数十万円から数百万円の費用がかかる重大な支出項目です。ダイレクトリクルーティングやハローワークの活用、リファラル採用などで大幅なコスト削減が可能になります。
特に効果的なのが、既存人材の定着率向上です。採用コストを削減しても、離職率が高ければ教育コストや再採用コストが発生し、結果的にコスト増となります。多様な働き方の整備や正当な人事評価制度の確立、コミュニケーションの活性化など、離職防止のための取り組みが重要です。
📋 具体的な取り組み例文。
効果的な経費削減を進めるためには、明確な手順と成功のポイントを押さえる必要があります。 まず、現状の経費を正確に把握し、どこにどの程度の費用がかかっているかを可視化します。次に、削減できる箇所を洗い出し、優先順位を付けて具体的な削減目標を設定します。
重要なのは、経費削減が目的にならないことです。 本来の目的は、医療機関の経営維持と持続可能な医療提供です。コスト削減によって医療の質が低下したり、患者さんの満足度が下がったりしてはいけません。必要なコストまで削減しないよう、慎重な判断が求められます。
📋 成功のポイント。
1️⃣ 効果が大きいと想定される施策から優先的に行う
2️⃣ 従業員全員に周知して意識を高める
3️⃣ 必要なコストまで削減しない
4️⃣ 実施にあたって必ずPDCAを行う
5️⃣ コスト削減が目的にならないよう注意する
医療機関の経費削減事例や取り組みが網羅的にまとめられています