
扁桃周囲膿瘍は、口の奥にある扁桃(扁桃腺)の周囲に細菌感染が広がり、膿(うみ)がたまる病気です。 多くの場合、風邪や急性扁桃炎をこじらせて、炎症が扁桃の周囲の組織にまで広がることで起こります。
ストレスが直接の原因となるわけではありませんが、重要な間接的要因として作用します。 ストレスや疲労、睡眠不足などにより、私たちの免疫力(抵抗力)が低下すると、細菌やウイルスへの感染しやすくなり、扁桃炎を発症しやすくなります。 さらに、すでに扁桃炎を起こしている状態で免疫力が低いと、炎症が周囲に広がりやすく、扁桃周囲膿瘍へと進行するリスクが高まると考えられています。
参考)https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/h3w56gzviy9
具体的なリスク要因として以下のようなものが挙げられます。
扁桃周囲膿瘍の主な直接的原因は、細菌感染です。 急性扁桃炎が悪化して、炎症が扁桃の周囲の組織にまで広がり、膿がたまってしまうパターンが最も多いです。
参考)【医師監修】扁桃周囲膿瘍は何が原因?どうやって治療するの?
炎症の原因となる主な微生物は、以下の通りです。
参考)扁桃体周围脓肿及蜂窝织炎 - 耳鼻咽喉疾病 - MSD诊疗手…
多くの場合、これらの細菌が複数関わっていることが多く、特に溶連菌やブドウ球菌が代表的な原因菌です。
また、以下のような環境要因も発症リスクを高めます。
参考)【箱根ヶ崎耳鼻咽喉科コラム】急性扁桃炎とはどんな病気?症状や…
これらの要因が重なることで、急性扁桃炎が悪化しやすくなり、扁桃周囲膿瘍へと進行するのです。
扁桃周囲膿瘍を予防するためには、まず扁桃周囲炎(急性扁桃炎)にならないように免疫機能を高めることが大切です。 ストレス管理は、その重要な要素の一つです。
具体的な予防対策として、以下のような工夫が有効です。
慢性に感染を繰り返している扁桃腺が、風邪・ストレス・過労などで免疫力が落ちた際に痛みを引き起こす場合もあります。 したがって、ストレス管理や生活習慣の改善は、扁桃周囲膿瘍の予防に重要な役割を果たします。
参考)扁桃炎・扁桃周囲膿瘍
扁桃周囲膿瘍に関しては、あまり知られていない意外な事実がいくつかあります。
まず、扁桃周囲膿瘍は片側だけが腫れて、のどの形が左右非対称になることが多く、つばを飲みこむのも難しいほど強い痛みが出るのが特徴です。 これは、膿が扁桃の周囲の限られた空間にたまるため、強い圧力がかかるからです。
また、ストレスとはあまり関係がないですが、咽頭がんや悪性リンパ腫などの悪性腫瘍でも片側のみ扁桃が腫れてくることもあります。 扁桃の大きさが元々左右で異なることもありますが、急激に片側のみ扁桃が腫れてくる場合は、扁桃周囲膿瘍だけでなく、他の疾患の可能性も考慮する必要があります。
さらに、扁桃周囲膿瘍は放置すると、呼吸障害や敗血症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。 膿が首の深いところまで広がったり(頸部膿瘍、咽後膿瘍)、胸部にまで広がったり(縦隔膿瘍、膿胸)すると、最悪の場合、死に至ってしまうこともあります。
参考)扁桃周囲膿瘍は放置したら危険!扁桃周囲膿瘍の症状・原因・治療…
扁桃周囲膿瘍の治療は、基本的に抗菌薬の投与を行います。 扁桃周囲膿瘍がある場合には、膿を排出するために、膿瘍を針で刺す(穿刺)あるいは局所麻酔下に切開を行います。
参考)耳鼻咽喉・頭頸科|扁桃周囲膿瘍、扁桃周囲炎|順天堂大学医学部…
治療の流れは、以下のようになります。
参考)https://www.miyoshi-central-hospital.jp/upload/save/page/0806f20cfbc47b823e8e9db16599bd64.pdf
また、扁桃周囲膿瘍は再発することがありますので、感染が落ち着いた後に必要に応じて口蓋扁桃を摘出する手術をお勧めさせていただくことがあります。 特に、繰り返す扁桃炎もみられる場合は、膿瘍の再発を予防するために4~6週間後に待機的扁桃摘出術を行うことがあります。
参考)扁桃周囲膿瘍および蜂窩織炎 - 16. 耳鼻咽喉疾患 - M…