
大学で電磁気学を初めて学ぶ学生にとって、最初の教科書選びは非常に重要です。電磁気学は力学と並んで物理学の二大難関と言われており、適切な教科書を選ぶことで学習効率が大きく変わります。
初級者向け教科書の特徴として、以下のポイントが挙げられます。
特に『電磁気学 初めて学ぶ人のために』(改訂版)は、理工系の大学初年級向けテキストとして最適です。 この教科書は、電場・磁場という抽象的な概念を解説する際に、身近な話題や具体的数値を用いて物理的イメージを描き出す工夫がされています。ベクトルの微分記号の使用を避け、なるべく簡単な数式で平易な説明を心がけている点も初心者には嬉しい配慮です。
参考)電磁気学 / 砂川 重信【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア…
また、『よくわかる電磁気学』(前野 昌弘 著)は、行き詰まった学生のためのお助け本として非常に評価が高く、とても詳しく説明してくれることで知られています。 教科書の理解に苦しんでいる場合に、この本を副読本として使うと、驚くほど理解が深まることがあります。
『基礎と演習 理工系の電磁気学』(高橋 正雄 著)も、図を多く配置し、例題を解きながら理解を深められるよう記述されています。1項目4頁見開きとすることによって授業を進めやすく配慮されている点も、講義での使用に適しています。
中級レベルに達した学生に最もおすすめなのが、グリフィスの『電磁気学』です。 この教科書は、北米を中心に使われる電磁気学テキストの翻訳版で、世界中で抜群の定評を得ています。
参考)http://artsandsciences.jp/archives/4538
グリフィス電磁気学の特徴。
参考)グリフィス 電磁気学 I - 丸善出版 理工・医学・人文社会…
Amazonのレビューでは、1440個ものレビューがついていて、76%が星5個をつけているという驚異的な人気を誇っています。 自分が誰か初学者の人に電磁気学の教科書を一冊勧めるとしたら、迷わずグリフィスを選ぶという専門家も少なくありません。
第I巻では静電場と静磁場を扱い、第II巻では時間変動を伴う電磁気学的現象を扱います。 通常のテキストで扱われる電磁波の伝搬から、導波路、アンテナの理論まで、幅広くカバーしています。
参考)グリフィス電磁気学 2 / グリフィス,D.J.【著】〈Gr…
ただし、問題の答えは掲載されていないため、独習する場合は注意が必要です。ネットに答えが転がっているという情報もありますが、公式な解答集ではないため、自己責任で使用することになります。
日本の電磁気学教科書と言えば、長岡洋介と砂川重信の二大巨頭を無視しては語れません。 どちらも定番として広く使われており、それぞれに特徴があります。
長岡洋介の『電磁気学 I(電場と磁場)』と『電磁気学 II(変動する電磁場)』は、親切な入門書として定評があります。 電磁気学に必要なベクトル解析の知識もこの一冊の中で易しく解説してくれているため、初学者にはとても読みやすい構成になっています。 電磁気学の典型問題も例題の中で完璧にさらってくれているため、基礎を固めるには最適な一冊です。
砂川重信の『理論電磁気学』は、マクスウェル方程式を元にして説明していく形の教科書です。 初学者が気軽に読める雰囲気ではなく、460ページほどと分厚いため恐れられていますが、他の入門書をひと通り学んで全体をつかんだ後であれば、非常に価値のある一冊になります。
| 著者 | 特徴 | レベル | ページ数 |
|---|---|---|---|
| 長岡洋介 | 親切な入門書、ベクトル解析も解説 | 初級〜中級 | 各巻300-400頁 |
| 砂川重信 | マクスウェル方程式中心、理論的 | 中級〜上級 | 460頁 |
| グリフィス | 軽妙な語り口、例題豊富 | 中級 | 各巻440頁前後 |
また、砂川重信の『電磁気学(物理テキストシリーズ)』は、大学初年度レベルの教科書として、昔からよく読まれているしっかりした入門書です。 一方、『理論電磁気学』は、より高度な内容で、マクスウェル方程式から体系的に学んでいきたい学生に向いています。
電磁気学の基本法則はマクスウェルの方程式(4つの方程式のセット)です。 マクスウェル方程式を最初に丁寧に説明し、基本法則から全ての電磁気現象を演繹的に説明するスタイルの教科書も増えてきました。
参考)https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2249-6.htm
『マクスウェル方程式で学ぶ 電磁気学入門』(竹川 敦 著)は、マクスウェル方程式から始めるスタイルでの電磁気学を初めて学ぶ方々に向けて、わかりやすさを重視して、その本質となる初歩的な内容に絞って丁寧に解説した入門書です。 同書の共著者の一人である著者が、より敷居を低くして出版した一冊で、A5判202頁とコンパクトなため、初学者にも手に取りやすいです。
参考)https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2276-2.htm
マクスウェル方程式中心の学習法のメリット。
『物性・光学のための電磁気学 - 基礎から量子化まで』は、大学の理工学部や工業高等専門学校の教科書として、マクスウェルの方程式の導出までを、その完成に寄与した科学者の業績を時系列に沿って、例題と問題を用いて解説しています。 後半は輻射、導波路、アンテナの理論を詳述し、マクスウェルの方程式を量子化して電磁波が光子となることを証明するという、非常に高度な内容までカバーしています。
参考)物性・光学のための電磁気学 - 基礎から量子化まで -
6章では、電界と磁界に関する法則をマクスウェルの方程式と呼ばれる四つの方程式にまとめ、その解析から電磁波の伝搬を説明します。 電磁波の伝搬速度から光が電磁波であることを示し、電界と磁界の偏向方向や境界面で入射、反射と透過の法則を導きます。 さらに、導波管内の電磁波の解析法についても述べるなど、応用まで学べる内容です。
電磁気学は、物理学専攻の学生だけでなく、医学部や薬学部の学生にとっても重要な基礎知識です。しかし、一般的な電磁気学教科書は、主に理工学部の学生を想定して書かれており、医学・薬学への応用についてはあまり触れられていません。
参考)基礎物理学 電磁気学 / 秋光 純/村上 修一/前田 はるか…
医療・薬学における電磁気学の応用例。
『基礎物理学 電磁気学』は、理工系の学生を対象とした電磁気学の教科書ですが、電磁気学は直観的にわかりにくいという特徴から、式の変形等はできる限り省略せず書き示し、図版や例題を多く取り入れ理解の助けとしています。 さらに、演習問題を多く載せて、独習にも演習の講義にも使えるように配慮しているため、医学部や薬学部の基礎物理学としても活用できます。
『電子情報工学ニューコース 電磁気学』は、電気や磁気は目に見えないが、電界や磁束密度などの基本的な性質を理解するには、図を用いて物理的イメージを明確にしながら学ぶのが有効であるという方針に沿って、豊富な図を用いて電磁気現象とその基本法則を説明しています。 電気と磁気の法則を表す4つの基本方程式(ファラデーの法則、ガウスの法則、アンペアの法則、単極磁荷はないという法則)を丁寧に記述し、数多くの応用例を取り入れて解説しています。
参考)電磁気学 / 浅田 雅洋/平野 拓一【共著】 - 紀伊國屋書…
特に、電磁気現象を数学的に解析するために必要なベクトル解析について、道具として十分役立つように、詳しく説明しているのも特長です。 長年の講義経験から生まれた電磁気学の教科書として、医学部や薬学部の学生が、将来的に画像診断装置や生体計測機器を理解する上で、非常に役立つ基礎知識が学べます。
薬学において電磁気学の知識が活きる例。
1. 核磁気共鳴(NMR)分光法:分子構造の解析に不可欠
2. 質量分析計:電場と磁場を用いたイオンの分離・検出
3. 電気化学:電池や電気分解の原理理解
4. 電気伝導性高分子:次世代薬物送達担体としての研究
これらの応用を理解するためには、電磁気学の基礎をしっかり学ぶことが重要です。電磁気学 教科書 大学 で検索する際、自分の専門分野に近い応用例が掲載されている教科書を選ぶと、よりモチベーションを持って学習に取り組めるでしょう。
電磁気学の理解を深める最も優れた手段は、最適の例題や問題を解いてみることです。 多くの教科書は、各章に理解を助けるための例題や章末問題を多数掲げ、その詳解からより深い理解を導く構成になっています。
演習書として定番のもの。
独習する場合のポイント。
『基礎と演習 理工系の電磁気学』は、理工系大学生のための電磁気学の教科書・参考書として、図を多く配置し、例題を解きながら理解を深められるよう記述されています。 1項目4頁見開きとすることによって授業を進めやすく配慮しているため、講義での使用にも適していますが、独習にも十分活用できる構成です。
また、『基礎物理学 電磁気学』は、少し難しい箇所は「発展」として学習する際に選択できるようにしているため、自分のレベルに合わせて学習を進められます。 演習問題を多く載せているため、独習にも演習の講義にも使えるように配慮されています。
海外の教科書として有名な『ジャクソン 電磁気学』は、海外の院生はこれで学ぶそうで、世界標準だとのことです。 非常に分厚く、上巻だけで600ページありますが、第3版では第10章までが現在主流の「MKSA有理単位系」に書き直されています。 大学院レベルを目指している学生には、最終的にこのレベルまで到達することが目標になるでしょう。
電磁気学 教科書 大学 で検索する際に、最も重要なポイントは以下の通りです。
1. 自分のレベルに合った教科書を選ぶ
- 初学者:長岡洋介、前野昌弘、高橋正雄
- 中級者:グリフィス、砂川重信(物理テキストシリーズ)
- 上級者:砂川重信(理論電磁気学)、ジャクソン
2. 学習スタイルに合った教科書を選ぶ
- 独習重視:グリフィス(例題豊富)、基礎と演習 理工系の電磁気学
- 講義併用:長岡洋介、マクスウェル方程式で学ぶ 電磁気学入門
- 理論重視:砂川重信(理論電磁気学)、物性・光学のための電磁気学
3. 演習問題を重視する
- 電磁気学は問題を解くことで理解が深まる
- 例題と章末問題が豊富な教科書を選ぶ
- 必要に応じて専用の演習書も活用
4. 補助教材を活用する
- ヨビノリなどのオンライン講義を併用
- 複数の教科書を読み比べて理解を深める
- 図版が豊富な教科書で物理的イメージを掴む
予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」- 電磁気学のおすすめ参考書
【大学】電磁気学のおすすめ教科書を紹介します - 京大工学部卒の解説
電磁気学は、物理学の基礎として非常に重要な分野です。適切な教科書を選び、じっくりと学習することで、その後の量子力学や統計力学、さらには専門分野での応用まで、幅広い知識の基盤が築けます。焦らず、一歩一歩進んでいきましょう。
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