聴覚障害 等級 片耳 の 認定 基準 と 実務

聴覚障害の等級認定において片耳の聴力がどのように評価されるのか、身体障害者手帳・障害年金・労災の各制度ごとの基準を詳しく解説します。医療従事者が知っておくべき診断のポイントとは?

聴覚障害 等級 片耳 の 認定 基準

聴覚障害 等級 片耳 の 認定 基準
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身体障害者手帳の等級

片耳90dB以上+他耳50dB以上で6級認定

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障害年金の判定

片耳のみでは原則対象外、例外は障害手当金

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労災後遺障害

片耳の聴力損失で9級〜14級が認定可能


聴覚障害 等級 片耳 身体障害者手帳 6級 認定条件



身体障害者手帳における聴覚障害の等級認定は、両耳の聴力レベルを基本として評価されますが、片耳難聴の場合でも一定の条件を満たせば6級の認定を受けることが可能です。


参考)聴覚障害者の認定基準やどんな支援が受けられるのかについてご紹…


現在の障害認定基準(2025年2月時点)では、聴覚障害の等級には2級、3級、4級、6級が設けられており、片耳のみの難聴で認定される可能性があるのは6級のみとなります。



6級の障害者手帳を取得できる条件は以下の2つのいずれかを満たす場合です:


参考)難聴レベルは主に4つ、聴覚障害になった場合はどうすれば良い?…


  • 両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
  • 一側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの


片耳難聴の場合、2つ目の条件「片耳の聴力レベルが90dB以上で、もう片方の耳の聴力が50dB以上」が該当します。これは、片耳がほぼ聞こえないレベル(90dB以上)の難聴であり、もう片方の耳も中度の難聴(50dB以上)であることが必要です。


参考)片耳難聴で障害者手帳は取得できる?片耳難聴による障害者手帳と…


重要な注意点として、片耳が全く聞こえない状態(90dB以上)でも、もう一方の耳が正常に機能している(50dB未満)場合には、障害者手帳は取得できません。 この基準は、両耳の聴力のバランスを重視したもので、片耳のみの重度難聴では日常生活に著しい制限が生じにくいと判断されているためです。


参考)片耳難聴者が利用できない福祉制度


聴覚障害 等級 片耳 障害年金 受給 基準 と 例外

障害年金の認定基準では、聴覚障害の場合、1級から3級までの等級が設けられていますが、原則として両耳ともに一定以上の聴力損失があることが認定の条件となります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12512000-Nenkinkyoku-Jigyoukanrika/0000080914.pdf


等級 障害の状態
1級 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
2級 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
または両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ最良語音明瞭度が30%以下のもの
3級 両耳の聴力が40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度
(両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上、または両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上でかつ最良語音明瞭度が50%以下のもの)
障害手当金 一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの(一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上)


注目すべき点は、1級から3級の聴力レベルは原則として両耳とも上記デシベル以上であることが必要であり、片方の耳のみ聴力レベルが該当しても原則として障害年金の対象外となることです。


参考)聴覚の障害認定基準


しかし、例外として「障害手当金」制度があり、これは一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上の片耳難聴でも受給対象となります。 具体的には、「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの」と定められており、これは片耳の平均純音聴力レベルが80dB以上に相当します。


参考)障害年金の障害別のポイント:聴覚の障害 - 西宮市、宝塚市、…


障害手当金は一時的な給付ではなく、障害状態が継続する限り受給できる制度ですが、障害年金の1級〜3級のような継続的な年金給付とは性質が異なります。 医療従事者が診断書を作成する際には、この區別を明確に理解し、患者に適切な説明を行う必要があります。



聴覚障害 等級 片耳 労災 後遺障害 9級 10級 認定

労働者災害補償保険法(労災保険)における聴覚障害の後遺障害等級は、身体障害者手帳や障害年金とは異なる基準で評価されます。 労災の場合、片耳のみの聴力損失でも9級から14級までの後遺障害等級が認定される可能性があります。


参考)https://kouishogai.jk-tkl.com/pd/ear.htm


耳の後遺障害等級認定表(聴力障害)は以下の通りです:


参考)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb4476&dataType=1dataType=1" target="_blank" rel="noopener">・障害等級認定基準の一部改正について〔労働基準法〕(◆平成1…


等級 障害の状態
9級 9号 1耳の聴力を全く失ったもの
10級 6号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
11級 5号 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
14級 3号 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの


労災の聴力障害の等級認定では、純音による聴力レベル(純音聴力レベル)と語音による聴力検査結果(明瞭度)を基礎として認定されます。 検査は日を変えて3回行い、検査と検査の間は7日程度あけます。等級認定は2回目と3回目の測定値の平均純音レベルの平均によって行われます。



平均純音聴力レベルは、周波数が500ヘルツ、1,000ヘルツ、2,000ヘルツ、4,000ヘルツの音に対する聴力レベルを測定し、(A+2B+2C+D)÷6の6分式で求めます。 この計算方法は、身体障害者手帳や障害年金の認定基準と同様です。



片耳難聴の場合の具体的な聴力レベルの目安は以下の通りです:


参考)労災保険


  • 9級:片耳の聴力が全くない(90dB以上)
  • 10級:片耳の聴力が耳に接しなければ大声が分からない(80dB以上)


労災保険の聴覚障害認定では、85dB以上の騒音下で5年以上働いてきた人が対象となるケースが多く、職業性難聴として認定される場合があります。 医療従事者が労災の診断書を作成する際には、患者の職業歴や騒音曝露歴を詳細に聴取し、適切な所見を記載することが重要です。


参考)労災での耳に関する後遺障害


聴覚障害 等級 片耳 診断 検査 方法 と 平均純音聴力レベル 計算

聴覚障害の等級認定において、正確な聴力検査結果は不可欠です。等級認定の基礎となるのは「純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)」および「語音による聴力検査値(語音明瞭度)」の2つの検査結果です。


参考)難聴で障害年金が受け取れる場合


純音聴力検査は、オージオメータを用いて行われ、500Hz、1,000Hz、2,000Hz、4,000Hzの4つの周波数における聴力レベルを測定します。 平均純音聴力レベルは、これらの測定値を用いて以下の6分式で計算します:


参考)聴覚の障害 - 神奈川障害年金相談室


\ \text{平均純音聴力レベル} = \frac{A + 2B + 2C + D}{6} \


ここで、A=500Hz、B=1,000Hz、C=2,000Hz、D=4,000Hzの各周波数における聴力レベル(dB)です。



等級認定のための聴力検査は、信頼性を確保するために以下の手順で行われます:



  • 聴力検査は日を変えて3回行います(語音による聴力検査は検査結果が適正と判断される場合、1回で差し支えありません)
  • 検査と検査の間は7日程度あけます
  • 等級認定は2回目と3回目の測定値の平均純音レベルの平均によって行います
  • 2回目と3回目の測定値の平均純音聴力レベルに10dB以上の差がある場合には、さらに聴力検査を重ね、2回目以降の検査の中でその差が最も小さい2つの平均純音聴力レベルの平均(差は10dB未満)により行います


重要な注意点として、障害等級の認定は、補聴器を取り外し、人工内耳を電源オフまたは体外装置を外した状態での聴力検査結果により行われます。 これは、補聴装具による聴力改善を考慮せず、裸の聴力状態で評価するためです。



語音明瞭度検査は、語音聴力検査を用いて行われ、最良語音明瞭度(最も良い耳の語音明瞭度)が等級認定の基準となります。 特に2級や3級の認定では、純音聴力レベルだけでなく語音明瞭度の結果も重要な判定要素となります。



聴覚障害 等級 片耳 実務 診断書 作成 医療機関 注意点

医療従事者が聴覚障害の診断書を作成する際、いくつかの重要な注意点があります。まず、診断書・意見書は申請者の身体の障害についての状態や等級を医学的に証明・記載するものであり、身体障害者手帳の申請に不可欠な書類です。


参考)難聴で障害者手帳は交付される?条件から助成内容や手続きまで解…


診断書作成時の重要なポイント:


参考)5(2)聴覚障害|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機…


  • 聴力検査結果は、補聴器や人工内耳を装着していない状態での測定値を記載する
  • 平均純音聴力レベルは6分式で正確に計算する
  • 語音明瞭度検査の結果も併せて記載する(特に障害年金の2級・3級認定に重要)
  • 両耳の聴力レベルをそれぞれ明記し、等级判定の根拠を明確にする
  • 障害の固定時期(症状が固定したと判断される時期)を適切に記載する
  • 職業歴や騒音曝露歴(労災の場合)を詳細に聴取し、所見に記載する


厚生労働省「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」第2節 聴覚の障害 - 障害年金の認定基準の詳細な規定が記載されています


高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「聴覚障害」 - 聴覚障害の特性と配慮事項、雇用支援に関する情報


東京都福祉局「聴覚・平衡・音声言語・そしゃく機能障害」 - 身体障害者手帳の認定基準や福祉サービスに関する情報


片耳難聴の患者に対しては、障害者手帳が取得できない場合でも、補聴器の購入補助やコミュニケーション支援などの福祉サービスが利用可能な場合があります。 医療従事者は、患者の聴力状態に応じて、利用可能な支援制度を適切に案内することが求められます。



また、片耳難聴は両耳難聴に比べて周囲から理解されにくく、「聞こえているように見える」という誤解を受けやすいという特徴があります。 このため、診断書には、片耳難聴による日常生活や就労上の具体的な困難を詳細に記載することが、等級認定や支援制度の利用において重要です。


参考)身体障害者手帳6級はどのくらいの程度で認定される?認定基準・…


特に、音の方向定位の困難さ、騒音下での会話理解の困難さ、疲労感の増大など、片耳難聴特有の症状を具体的に記載することで、患者の実態をより正確に伝えることができます。 これらは、聴覚障害の等級認定において、単なる聴力レベルの数値だけでなく、日常生活への影響を総合的に評価する上で重要な情報となります。


参考)片耳難聴でも障害者手帳は出るのだろうか?聴覚障害の福祉制度に…

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