
ビクトーザ皮下注18mgは、製造販売元であるノボ ノルディスク ファーマから「諸般の事情により2026年後半を目途に出荷終了(販売終了)」とする旨が、医療機関宛の案内文書として公式に発出されています。
参考)https://www.jds.or.jp/uploads/files/document/info/info_novo_2025-10-20_Novo_Victoza.pdf
日本糖尿病学会や日本糖尿病協会のサイトでも同様の通知文が掲載されており、ビクトーザの販売終了は一時的な供給不安ではなく、計画的な製品ライフサイクルの一環として位置付けられています。
参考)ビクトーザ®皮下注18mg販売終了に伴うご変更のお願い(ノボ…
通知文では「諸般の事情」という表現にとどまり、個別の詳細理由(安全性上の重大な問題や明確な採算性悪化など)は明記されていませんが、出荷量は「通常」とされており、急な供給停止ではなく余裕を持った切替期間が確保されていることが強調されています。
参考)「ビクトーザ皮下注18mg」 2026年後半をめどに販売終了…
この通知では、ビクトーザが薬価収載から削除されるタイミングに合わせ、2026年後半以降に順次代替薬への切り替えを進めるよう求めています。
参考)https://www.yakuji.co.jp/entry130378.html
一方で、中央社会保険医療協議会の資料では「製造販売業者の変更や医療上の必要性がないことによる理由」で薬価基準から削除される品目が例示されており、ビクトーザも「新規・改良製剤の存在によって医療上の必要性評価が変化した製品」の一つとして捉えられる可能性があります。
製薬企業側にとっても、生産ライン・販促コストを新世代製剤に集中させることで、研究開発投資の回収効率を高める戦略が一般的であり、ビクトーザのような「市場導入初期の代表製剤」が一定期間を経て販売終了となるのは、他の領域でも見られるパターンです。
ビクトーザ自体は、これまでの使用経験の中で大規模な安全性問題による回収や販売停止を経験しておらず、むしろPMDAや厚労省は「適正使用」の観点から注意喚起を行ってきました。
特に、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬を、減量目的の「ダイエット薬」として非適切に使用するケースが問題視されており、ビクトーザも含めたクラス全体に対して、医療従事者・患者双方に適正使用を求めるメッセージが発出されています。
厚生労働省は2010年時点で、ビクトーザがインスリンの代替薬ではないことを明確にし、高血糖コントロール目的での適応範囲内使用を徹底するよう添付文書改訂を指示した経緯があります。
このように、ビクトーザの安全性プロファイルは長年にわたりフォローされてきたものの、明らかな「安全性起因の販売中止」ではなく、むしろクラス全体の適正使用と新規製剤への移行を促す中での、自然なライフサイクル終盤の措置と理解するのが現実的です。
参考)日本糖尿病学会からのお知らせ「ビクトーザ®皮下注 18mg …
ビクトーザ販売終了に伴う案内では、患者ごとに治療方針を見直し、他のGLP-1受容体作動薬や、必要に応じてSGLT2阻害薬・インスリンなどへの切り替えを検討するよう求められています。
具体的な候補として、同社の週1回投与GLP-1製剤や、他社の週1回GLP-1製剤が挙げられており、各社の情報提供資材では、用量設定・導入スケジュール・低血糖リスク・体重変化などを比較しながら最適なスイッチ戦略を構築することが推奨されています。
参考)【初心者必見】ビクトーザ販売中止はなぜ?理由と代わりの薬5選…
実務上は、以下のようなポイントが重要になります。
これらのポイントは、ビクトーザから他のGLP-1製剤への単純な「置き換え」ではなく、治療全体の再設計として捉える必要があることを意味します。
特に、体重減少効果を期待してビクトーザを使用していた症例では、新規GLP-1/GIP製剤の強力な体重低下作用が患者の期待値を大きく変える可能性があるため、「血糖コントロール」と「体重管理」のバランスを再度説明し直すことが求められます。
ビクトーザ販売終了は「ある日突然処方できなくなる」ものではなく、2026年後半までの猶予期間を設けた計画的な移行であるため、医療機関側には段階的な患者説明と処方変更プランの策定が求められます。
日本糖尿病学会からの案内では、「2026年以降順次ご変更をお願いします」と明記されており、医師・薬剤師・看護師・糖尿病療養指導士が連携して、患者ごとの変更時期・代替薬・教育内容を共有することが推奨されています。
参考)ビクトーザ®皮下注 18mg 販売終了に伴うご案内(ノボ ノ…
患者向けには、以下のようなメッセージが重要になります。
これらをわかりやすく説明するためには、簡潔な資料やスライドを用い、ビクトーザ販売終了のスケジュールと今後の見通しを視覚的に示すことも有用です。
特に、長年ビクトーザを使用してきた患者ほど心理的抵抗感が強い傾向があるため、「今までの治療が無駄になるわけではなく、次の段階に進むためのステップである」というポジティブなメッセージを繰り返し伝えることが、アドヒアランス維持に直結します。
例えば、これまで「とりあえずビクトーザ」という形で導入されていた症例について、心血管リスクプロファイル・肥満の程度・腎機能・患者のライフスタイル(自己注射への抵抗、通院頻度など)を再評価し、より個別化された製剤選択へと移行するきっかけになります。
また、GLP-1受容体作動薬が「ダイエット薬」として過度に注目されている中で、ビクトーザ販売終了というニュースを契機に、「糖尿病治療薬としての本来の位置づけ」を再度患者に説明し直すこともできます。
特に、減量目的のみでGLP-1製剤を希望する非糖尿病患者に対しては、ビクトーザの歴史や販売終了の経緯を踏まえ、「適応外使用や供給逼迫が、真に必要な患者の治療機会を奪うリスクがある」ことを具体的に伝える題材として活用できます。
さらに、ビクトーザのような第一世代製剤のライフサイクル終盤の動きを観察することで、今後登場する新規インクレチン関連薬(例えば、経口GLP-1製剤や、さらなる複合受容体作動薬)の長期的運用イメージを早期に掴む材料にもなります。
「あるGLP-1製剤がいつ・なぜ販売終了に至るのか」を俯瞰しておくことで、今後の薬剤選択やフォーミュラリ策定の際に、単なる短期的な効果だけでなく、製剤のライフサイクル全体を見据えた意思決定が可能になります。
糖尿病治療のガイドラインや各種レビュー論文では、GLP-1受容体作動薬の心血管アウトカム改善効果や体重減少効果が繰り返し示されていますが、その中で「どの薬がどのタイミングで市場から退くのか」という視点は意外と見落とされがちです。
ビクトーザ販売終了の背景を丁寧に追うことは、実は「薬剤選択を超えた、医療資源配分と薬物治療戦略のリテラシー」を高める格好のケーススタディになると言えるでしょう。
関連する詳細な販売終了案内と、医療従事者向けの公式情報
ビクトーザ皮下注18mg 販売終了に関する日本糖尿病学会からの案内
ビクトーザの心血管アウトカム試験(LEADER試験)の詳細とGLP-1製剤の位置づけを解説したレビュー
Liraglutide and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes (LEADER Trial)
ビオスリーHi錠 270錠【指定医薬部外品】 整腸剤 酪酸菌 乳酸菌 糖化菌 おなかの不調 便秘 軟便 腸内フローラ改善 腸活