アクセス権限 許可と認証と認可の安全管理

医療現場のアクセス権限と許可設定を整理し、認証と認可の違いやゼロトラストの視点から安全管理のコツを解説しますが、あなたの施設ではどう運用しますか?

アクセス権限 許可の基本と医療情報安全管理

医療現場で考えるアクセス権限と許可の全体像
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アクセス権限とは何か

誰がどの医療情報にどこまでアクセスしてよいかを決める「ルール」と「仕組み」。役割や業務との整合性が取れているかがポイントです。

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許可のプロセス設計

申請・承認・付与・見直しまでを一連のワークフローとして設計し、ログとレビューで継続的に検証することで、安全性と業務効率を両立します。

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認証と認可の違い

本人確認(認証)と権限付与(認可)を分けて考え、ゼロトラストの考え方に沿って「常に検証する」運用へ移行する視点が重要です。


アクセス権限 許可の定義と医療情報システムガイドライン



アクセス権限とは、電子カルテや部門システムなどの医療情報システムに対して「誰が、どの情報を、どの操作レベルまで行えるか」を定める概念です。


参考)アクセス権限とは?安全なインターネットのための基本知識共起語…
医療分野では厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」において、リスク評価に基づく認証・アクセス権限の規程整備が明示的に要求されています。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001582980.pdf
ここでいう許可とは、個々の利用者やロールに対して、このアクセス権限を具体的に付与するプロセスを指し、申請・承認・設定・検証まで含めて運用設計することが求められます。


参考)https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/03besshi2_20250430.pdf


医療情報システムのアクセス管理規程には、少なくとも以下の要素を含めることが推奨されています。


  • 登録申請・変更申請・廃棄申請のルール
  • 承認フローと責任者の明確化
  • 認証およびアクセス記録の収集・保存方法
  • 記録の定期的レビューと権限見直しの手順


意外と見落とされやすい点として、「委託先事業者の要員」や「開発者」「管理者権限を持つ担当者」もアクセス権限管理の対象利用者に含めるべきだと明記されていることがあります。


クラウド型電子カルテや外部PACS、遠隔読影などを利用する施設では、院内職員だけでなく、こうした外部事業者に対するアクセス権限と許可の設計が、情報漏えいリスクを左右しうる重要なポイントになります。


参考)https://www.soumu.go.jp/main_content/000022284.pdf


医療情報システムガイドラインの概要解説として有用
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版


アクセス権限 許可と認証・認可の違いを押さえる

アクセス権限と許可の話では、認証(authentication)と認可(authorization)の違いを区別しておかないと設計方針が曖昧になりがちです。


参考)認証と認可の違い ゼロトラストセキュリティ対策
認証は「その人が誰であるかを確かめるプロセス」であり、ID・パスワード、ICカード、生体認証、多要素認証などが該当します。


認可は「その人が、どのリソースに、どの操作レベルまでアクセスしてよいかを決めるプロセス」で、ここでアクセス権限と許可の設計・運用が重要になります。


参考)アクセス権限とは?情報セキュリティと業務効率を両立するための…


ゼロトラストセキュリティの考え方では、「決してデフォルトで信頼せず、常に検証する」ことが強調されます。


医療現場に適用する際には、単に院内LANだから信頼できるという前提を置かず、認証の強化とアクセス権限の細分化を組み合わせる設計が有効です。


例えば、救急外来の医師には、診療中の患者に関する診療情報への迅速なアクセス権限を許可しつつ、過去の全症例へのフルアクセスはロール別に制限する、といった分離が考えられます。


参考)救急医療における患者の診療情報確認、救急医療従事者に特別権限…


このとき、アクセス権限の設計を「ロールベース」で行うか「属性ベース」で行うかによって運用の柔軟性が変わります。


  • ロールベース(RBAC):医師・看護師・薬剤師・事務・診療情報管理士などの職種・役割別に権限セットを定義
  • 属性ベース(ABAC):部署、勤務形態、当直中か、担当診療科か、研究目的かなどの属性を組み合わせて、条件付きで許可する


医療現場ではRBACが導入しやすい一方で、昨今の多様な働き方(フレキシブル勤務、兼務、外部コンサル医など)に対応するには、ABAC的な考え方も部分的に取り入れると現実にフィットしやすくなります。



認証と認可の違いに関する整理に役立つ解説
認証と認可の違い ゼロトラストセキュリティ対策


アクセス権限 許可のロール設計と医療従事者向けベストプラクティス

アクセス権限 許可を現場で運用する上では、「誰にどこまで見せるか・触らせるか」をロール設計として明文化しておくことが不可欠です。


参考)Windows 11でのアクセス権設定方法:初心者でも安心!…
ガイドラインでは、利用者の認証および権限付与に関する規程を整備したうえで、定期的なレビューを実施することが求められていますが、これを医療従事者の目線で落とし込むと次のようなベストプラクティスが見えてきます。



主なロール例とアクセス権限の考え方

  • 医師ロール:担当患者の診療録への閲覧・記載権限、オーダ入力権限、必要に応じた過去カルテ閲覧権限
  • 看護師ロール:担当病棟・外来患者の看護記録記載、バイタル入力、一部オーダ確認、処置内容の記録権限
  • 薬剤師ロール:処方情報の閲覧、疑義照会記録の記載、調剤情報・投与履歴へのアクセス権限
  • 診療情報管理士ロール:診療情報の網羅的閲覧、退院時要約の確認、DPC・レセプト関連情報へのアクセス権限
  • 事務ロール:保険情報・請求情報へのアクセス、診療録本文へのアクセスは最小限


さらに、研究用データのアクセス権限 許可については、診療目的の利用者とは切り分けたロール設計が望ましく、研究ID付与や匿名加工処理後のデータに限定したアクセス権限を設定することが推奨されます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000936160.pdf
これにより、診療情報の二次利用に伴うリスクを抑えつつ、エビデンス創出のためのデータ利活用を進める基盤が整備されます。


運用手順の観点では、情報システムやクラウドサービスのアクセス権限設定において、申請・承認のワークフローを電子化しておくことで、監査対応やトレーサビリティが向上します。


参考)SharePointのアクセス権限の設定と管理方法|運用時の…
例えば、SharePointなどの情報共有基盤では、グループ単位で権限レベル(閲覧・編集・フルコントロール)を設定し、サイト単位のアクセス権限付与とユーザー追加を分けて運用する、という設計が紹介されています。



アクセス権限設計とクラウドサービス運用の参考
医療情報安全管理に関する統合ガイドライン 別紙2 対策項目一覧


アクセス権限 許可とスマホ・アプリの権限管理(あまり語られない盲点)

意外に見落とされがちな視点として、医療従事者が業務・連絡用に利用しているスマートフォンやタブレットの「アプリのアクセス権限 許可」があります。


参考)アプリのアクセス権限を確認しましょう
アプリインストール時に表示される「位置情報へのアクセスを許可しますか」「連絡先へのアクセスを許可しますか」といったダイアログの扱いは、個人端末・院内端末にかかわらず情報セキュリティ上の影響が大きくなりつつあります。


参考)【要注意!】許可してはいけないスマホのアクセス権限 - Yo…


IPA(情報処理推進機構)は、スマホアプリのアクセス権限を安易に許可せず、必要性を確認したうえで設定を見直すことを啓発しています。


医療者が業務連絡やカンファレンス調整に利用する一般的なメッセージアプリやスケジュール管理アプリが、位置情報・写真・マイク・連絡先など広範な権限を要求するケースでは、次のような観点で評価するとよいでしょう。


  • その権限はアプリの本来機能に本当に必要か
  • 許可しなくても利用可能か(「おおよその位置情報」や「利用中のみ許可」で十分か)


  • 業務用情報(患者情報、職員連絡網、現場写真など)との紐づきが発生しない設定になっているか


アプリの権限を過剰に許可すると、端末内に保存された業務関連の連絡先や写真、位置情報が第三者に送信されるリスクが高まります。


モバイル端末を使った業務が増える中で、「院内システムのアクセス権限は厳密に管理しているが、スマホアプリの権限はノーチェック」という状況は、ガイドラインの想定外の脆弱性となり得ます。
そのため、BYOD(私物端末利用)を認める医療機関では、スマホのOSレベルの権限管理ポリシーもアクセス権限 許可の枠組みの一部と捉え、職員向けの教育・周知を行うことが望ましいでしょう。



スマホアプリ権限の確認に関する解説
アプリのアクセス権限を確認しましょう(IPA)


アクセス権限 許可のレビュー・監査と誤設定を防ぐ工夫(独自視点)

アクセス権限 許可は、一度設定して終わりではなく、「見直し続ける」ことで初めて安全性と業務効率が保たれます。


ガイドラインでは、認証やアクセス等に対する記録の収集・保存、定期的レビュー、アクセス管理運用状況の点検が要求されていますが、現場で具体的なレビュー指標を持っている施設はそれほど多くないのが実情です。


参考)https://hodanren.doc-net.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/230911_sc.pdf


現場で活用しやすいレビューの切り口として、以下のようなチェック項目を設ける方法があります。

  • 異動者・退職者のアカウント廃棄が遅れていないか(人事情報と権限一覧の突合)
  • 兼務者の権限が過剰になっていないか(複数ロール付与の棚卸し)
  • 一時的なプロジェクト権限が期限を過ぎても残っていないか
  • 管理者権限の付与数が必要最小限か(特権アカウントの集中管理)


誤設定や権限肥大化を防ぐためには、「デフォルトは最小権限」「申請がない限り権限追加しない」という原則に加え、「権限削減をポジティブに評価する文化」をつくることも重要です。


例えば、定期レビューで権限縮小を提案した職員や部署を、情報セキュリティの観点から評価する仕組みを設けることで、「権限が多いほど偉い」という暗黙の認識を是正することができます。


さらに、監査対応やインシデント調査を考えると、アクセス権限 許可の設定変更履歴と、アクセスログ(誰がいつ何を閲覧・変更したか)の突合ができる状態にしておくことが望ましいです。


  • ログに基づき、診療に不必要な大量閲覧や深夜帯の不自然なアクセスなどを抽出
  • そうした行動が、権限設計の問題なのか、運用上の問題なのかを分析
  • 必要に応じて、ロール定義や許可条件を改訂


このように、アクセス権限と許可を「静的な設定」ではなく、「動的に学習・調整する仕組み」として捉えると、AIやルールエンジンを活用した異常検知・リスクベースレビューへ発展させることも視野に入ってきます。
医療機関の規模やリソースによって取り組み方はさまざまですが、「ログを残し、定期的に見る」という基本だけでも、誤設定や過剰アクセスの早期発見につながります。



アクセス権限 許可と医療従事者教育・患者への説明

アクセス権限 許可を適切に運用するためには、医療従事者の理解と患者への透明性が欠かせません。


医療情報システムガイドラインでは、医療情報を取り扱う職員の採用時・就業中・退職後にわたる守秘義務や非開示の条項、教育の実施が求められていますが、アクセス権限の概念そのものは十分に共有されていない場合もあります。



医療従事者向け教育のポイント

  • 認証と認可の違い、アクセス権限の基本概念
  • 自分のロールに期待されるアクセス範囲と責任
  • ID・パスワードの適切な管理(共有禁止、使い回し防止、多要素認証の活用)


  • スマホ・アプリの権限 許可に関するリスクと推奨設定


  • インシデント例(過去事例)に基づく具体的な影響のイメージ


患者への説明という観点では、「診療情報がどの職種にどこまで共有されるか」「研究利用時にどのような匿名化・アクセス制限が行われるか」を、わかりやすく伝えることで信頼醸成に寄与します。


例えば、救急医療における患者情報の迅速な確認のために、救急医療従事者に特別な権限を付与する仕組みが検討されていることが報告されていますが、そのような取り組みでは「なぜ特別権限が必要なのか」「どのような安全策が併設されているのか」をセットで説明することが重要です。



こうした説明は、プライバシーポリシーや診療情報提供文書、院内の掲示物、Webサイトなど多様なチャネルを通じて行うことができます。
アクセス権限 許可の設計・運用を「内部統制のための技術的な話」に留めるのではなく、「患者との信頼関係を支える仕組み」として位置づけることで、現場の納得感も高まりやすくなります。



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医療現場で、あなたが関わっている主なシステム(電子カルテ、部門システム、クラウドサービスなど)の種類を一つ挙げるとしたら、まずどれからアクセス権限の整理を始めたいですか?

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